投げっぱなし日記

イラストとか、自転車とか、まったりゆるゆる。

ちょっと東京湾一周行ってくる!(その3)

その1/その2/その3/その4
東京湾一周200km、「日没までに都市部(残り60km程度)まで行ければ良いね〜。」と言っていたのが、ハプニングに続くハプニングでまさかの100km地点での日没!つまりまだあと100km!
距離以上に問題なのが、この先、千葉までの間は街灯が少ない暗闇を走らざるをえないことと、コンビニなどの補給地点がないこと。さて…どうしたものか…。

第3行程:富津岬〜市原

18:00。夕日が水平線に沈むのを見送りながら、takhinoとfeijaoは青堀のコンビニで補給を取りつつ、今後の作戦を練り直していました。もはや暗闇を走ることは避けられません。
しかし、ここでもたついていては今日中のゴールが危うい。千葉までの40kmは一気に走ろう。
と、ここで、急にお腹の空く感じが…。
…まずい。何しろお昼はそば、しかも食べてから既に3時間近く走っています。何か食べなきゃ…。feijaoに少し待ってもらって、もう一度店内へ。クレープとウィダーインゼリーを食べて再スタートです。

▲これで行けると思っていた…。*1


異変はすぐに起きました。わずか20分後。ここまでは安定して30km/hで走っていたtakhinoですが、突如、何の前触れもなく、がくんと20km/hしか出せなくなりました。流石に100kmも走って疲れが出たのか…と思いましたが、体はどこも痛くない。意識はあるし気力もある。だけど頭はぼんやりとし体は鉛のように重く思い通りに動かない。
ふとフェリー直前でfeijaoが発した言葉が脳裏をよぎりました。


『エネルギー切れだ…』*2


エネルギー切れ、それはいわゆる「疲労」ではありません。
ロードバイクは消費カロリーが非常に多いスポーツです。走行速度や個人差によって違いはありますが、50kmでおよそ1200kcal、100km走れば2400kcalと、ほぼ成人男性1日分のカロリーを消費します。もし途中でエネルギーが切れたら、動けなくなってしまいます。
つまりロードバイクによるロングライドにおいて補給とはまさに燃料補給そのもの。走り続けるには、カロリー計算と安定した補給こそがかなめです。しかし補給が上手く行かず、必要な燃料が空っぽになった状態、より正確には血糖値が極端に低下した状態。


ハンガーノック

ハンガーノック

本能の命令で体が生命維持モードに入り、どんなに理性で頑張っても筋力が出せなくなります。心拍数も強制的にカットされます。まさにエコモード。本能の本気っぷりがうかがい知れます。
本当に危険な状態だと体が全く動かなくなるそうですが、幸い今はそこまでではない。エネルギーは底をつきかけているものの、さっき食べた糖分がじきに体内に回って来るはず。
そう楽観視するものの、しかし胃の辺りが痛くなるばかりで、一向にエネルギーが回ってこない。
実は、低血糖状態から急激に血糖値が上がるのは体への負担が大きすぎるので、インスリンによって供給ストップがかけられるのです。…要は一度完全にエネルギーが切れかけて保護回路が作動してしまったら、どんな急速充電器を使っても再起動には1時間はかかる。それを避けるにはエネルギーが残っている内に補給をしなくてはいけなかったのです。そして今回のコンビニでの補給は…完全に手遅れでした。


必死になって漕ぐものの全くスピードは上がらず、引き離されては信号待ちで追いつくの繰り返し。とにかく辛い…ひたすら辛い…平地なのに…。ペダルに足をかけても力が入らずビンディングがはまらない。冷や汗ばかりが額ににじむ…。
feijao「前に出て自分のペースで走る?」
ありがとう…でも、無理。風を受けきれる体力は残ってないし、何より判断力が低下している状態で先頭になったら、後続を危険にさらすことになる。それは絶対にできない。とにかく後ろで必死に付いていくしかない。
この辺りは千葉県市原市、ひたすらコンビナートが続く地帯。行けども行けども同じ景色…道路、トラック、工場…コンビニもファミレスも何もない。そもそも、これ本当に前へ進んでいるのかな…。


feijao「…ちょっと休もう。」
やだ、この人かっこよすぎ…これがイケメンというやつですね…!道ばたの草原で自転車を倒して一休み。このときの休憩と、その先のコンビニでの休憩が、本当に効きました。休憩の効果、本当にすごい。そして、コンビニで買った桃とパイナップルを凍らせたアイス、涙が出るほどおいしかった…。
こうして、takhinoはようやく復活することができたのでした。体が軽い!頭も冴えてる!30km/hで走れる!


辛く長かった市原市も、ついに終わりが見えてきました。周りの様子が変わり、店がちらほらと増え始めます。車輪よ!あれが千葉の灯だ!
20:30、雨が降り始めた所でちょうどファミレスを発見。駆け込みます。ちょっと食欲は落ちているものの、メニュー表のカロリーをしっかりチェックしつつ、晩ご飯を選びます。そう、計画的なカロリー補給は命綱ですからね!*3


きちんとしたご飯を食べるのはここが最後。しっかり休んで、最後の行程に備えます。残り60km。


【現在時刻】21:45(14時間15分)
【走行距離】約140km


「その4」へつづく!

*1:今思うと、ウィダープロテインというチョイスが失敗だったな〜と。まあ、このタイミングで何食べても、もはや手遅れだった気はしますが。そもそも食べられるんだから、ゆっくり体に回る多糖類…おにぎりを数時間前に摂っておくべきだった。

*2:ここまで3時間ほどの消費カロリーが推定1800cal…うち糖質が50%とすると、補給必要量が900cal。お昼の天そばが量的に恐らく600cal前後、直前の補給が320calなので…綺麗に計算通り倒れたことに。

*3:ちなみにスパゲッティ等々800cal程度をチョイス。一応残りをギリギリ無補給でいけるはずの収支ではあります。

ちょっと東京湾一周行ってくる!(その2)

その1/その2/その3/その4
東京湾一周200km、トラブルやら豪雨やらエネルギー切れやらで予定より遅れ、ヘトヘトになりながらも、なんとか1時間に1本のフェリーを捕まえることができたtakhinoとfeijao。とりあえずフェリーの中で軽食を取りながら一休み。久里浜港から金谷港までの45分間、休憩することができました。

第2行程(前半):金谷港〜上総湊


フェリーの中の貴重な休憩時間もあっという間に終わり。14:00、金谷港に着きました。体調は…ずいぶん回復しています。この便で降りる自転車はtakhinoとfeijaoの2人だけ。逆に今から神奈川県側に向かう自転車乗りは、結構いるみたいですね。

ここからは完全に未知の領域。feijaoの持つGPSが頼りです。フェリーを見ながらルートを相談。feijaoに先導してもらいます。東京・神奈川を走っていたときとはうって変わり、焼き付けるような太陽と真夏のような蒸し暑い空気。雨も大変ですが、これはこれで体力が削がれそうです。



海を見ながら走るのはやっぱり楽しい!もっとも鎌倉の時に走った湘南の砂浜とは全く景色が違い、ここ房総半島は海岸といっても岩場、磯が広がっているようです。
…と、40分ほど気持ちよく走っていた所で、異変は起きました。


「バシュッ!」


…みるみる潰れてゆくfeijaoの後輪。…パンク…!急遽停車してタイヤを調べます。…貫通していました。
もちろん、替えのチューブ等は持ってきているのですが、チューブ交換は意外と時間を食います。小さな携帯ポンプでは空気はなかなか入りません。繰り返しポンプを押すので体力を消耗します。そして何よりも精神的に消耗します。ロードバイクを買ってわずか40分でパンクしたtakhinoです。その恐ろしさは身に染みています。その教訓からtakhinoは携帯CO2ボンベを持ち歩くことにしています。これは使い切りですが、一瞬でチューブにガスを入れることができる優れもの。
takhino「ボンベあるけど、使う?」
feijao「いや、空気入れでやるわ。」


30分後…


feijao「お〜い、ちょっと来て!」
そろそろ空気が入り終わる頃だけど…何かあったかな?
feijao「ボンベ貸して…。」
なんと、虫ゴムが外れて、一度入れた空気がすべて抜けてしまったらしい…。うわあああああぁぁぁぁ…。ポッキリと、心が折れた音が聞こえました。


CO2ボンベでサクッとガスを入れて、出発です。すごい、本当に一瞬だった。ボンベは偉大だ。
途中で立ち寄ったニコニコドライブイン、有名所らしく、ご飯もおいしいとのことでしたが、残念ながらカーテンが降りていました。自販機でジュースだけ飲んで先を急ぎます。
少し先の上総湊で「鈴乃屋」というそば屋さんを見つけたのでそこに入ることに。そばって消化良いけどカロリー低いのよね…。足りるかなあ…。

意外と大盛りだった。


第2行程(後半):上総湊〜富津岬

takhino「この辺りの景色、うちの田舎がちょうどこんな感じだよ。」
feijao「親戚の家がこんな感じだな。」
takhino「しかし、曲がり角を抜けると海っていうのは山の町にはない魅力だなあ…。」
軽口を叩きながら、進む二人。しかし、二人とも内心焦っていました。時間は15:00を回り、日が傾きかけています。順調に行っていればすでに都市部まで走っていた頃…ここで、この街灯ゼロ地帯で日が暮れるのはまずい。しかし、それでも立ち寄りたいポイントが一つありました。「富津岬」。東京湾にせり出した房総半島の岬です。
トラブルもなく順調に進みながらも、日はどんどん傾き水平線に近づいてゆく…。西向きに進むと目に夕日が突き刺さる…。でも待てよ。これは、もしかして…。
淡い期待とともにたどり着いた富津岬の展望台。



絶景でした。
この岬、真西に向いているので、この時期のこの時間帯はちょうど太陽が展望台の向こう側に沈むのです。全くの偶然ですが、この時期この時間にしか見られない光景。来て良かった!
それにしても、ここは本当に良い場所です。ぐるりと360°、東京湾が一望できる。

▲あっちは南西、神奈川県側。左端が久里浜港、フェリーに乗りこんだ場所。もうヘトヘトだったっけ。

▲そしてこちらが南、千葉県側。右端が金谷港、途中でパンクしたのが大変だったなあ。

▲そしてやってきた富津岬。東側をこうして見ると、本当に岬の先端なんだなあ…。右側の海岸線がここまで来た道。そして左側の海岸線がこれから走る道。

▲北東…ビルが見える!都市部だ!あれは工業地帯…千葉市の辺りかな…。

▲ゴールの東京は…。

▲……。

▲…………あそこ。


feijao「…あと60kmぐらい?」
takhino「いやぁ、あと100kmぐらい!…今ちょうど…半分…………。」


夜の闇とともに、絶望が舞い降りてきました。


しかし残りの行程を気にするあまり、takhinoは気がついていませんでした。
本来ならば暗闇以上に注意すべきだった事態が、すぐそこまで迫っていたことに。


【現在時刻】17:45(10時間15分)
【走行距離】約100km


「その3」へつづく!

ちょっと東京湾一周行ってくる!(その1)

【その1/その2/その3/その4

ロングライドへの招待状


なぜ自転車に乗るのか。
takhinoの場合、常に「遠くへ」のあこがれが心の片隅にありました。


遠くへ行きたい。
あの雲の向こうへ行きたい。
あの海の向こうへ行きたい。
見果てぬ空の下の
見知らぬ場所に行きたい。


遠くへ。自分の力で。


まあ、だいたいそんな感じです。さて、鎌倉旅行が成功裏に終わった矢先、こんな話が持ち上がりました。
feijao「東京湾一周やってみない?」
東京湾一周200km、目安としては約10時間程で一周を目指すコース。…ちょっと「東京湾一周」行ってきます!

そうと決まれば準備!


今回は品川駅→八景島久里浜港→(東京湾フェリー)→金谷港→富津岬→品川駅、という反時計回りコース。
全長およそ200km、平均20km/hで走り続けたとして10時間。観光重視だった鎌倉行きと違い、初めて本格的に走ることメインの遠乗り…ロングライドです。
基本湾岸沿いで平坦なこのコースにおいて、ポイントは主に3点。
(1)1時間1本運行の東京湾フェリー
(2)夜間は暗く、コンビニ等の補給地点が少ない千葉県、特に市原市付近の工業地帯。
(3)どうやら雨が降りそうな天気。


(1)はペース配分が重要です。
(3)はある程度仕方ないとして、(2)千葉県の暗さを考慮してライトはDOSUN A2という明るい物にしました。さらに一応のため、もう一つ小さなライトを付けておきます。


あと、1日で200kmもの距離を走り続けるのは初めてのこと。そこで足元も強化。

これまでのフラットペダル+ハーフクリップから、ビンディングシューズにしました。ペダルに金具で足を固定し、ダイレクトにパワーを伝える、より速く・より遠く走るための装備です。*1


荷物は大きめのサドルバッグに詰め込み、持ち物は最小限に。できる限り身軽な格好で臨みます。

第1行程(前半):品川駅〜八景島


7:30。晴れたり曇ったりの天気の中、輪行で品川駅に集合。予報では11時頃に雨が降りそうなので、それをどこかでやり過ごせれば良いなあ…という感じです。
輪行を解くのにもたもたしたり、初っぱなから追突→立ち転けしたり、ホイールの向きがおかしかったり、調子の悪いtakhino。まあでも何とか走り出しました。feijao先導で第一京浜に沿って横浜へ。
気ままに走っていると空からポツリポツリと…。え、もう雨?まだ9時なんですけど、予定よりずっと早くない!?

横浜で少しだけ雨宿り。
まあ、幸い10分ほどで止んだので、再スタート。ここから八景島は鎌倉の帰りに通ったコースなので、前後交代してtakhino前で行きます。自転車のツーリングでは先頭が風よけになるため、体力温存の目的からも時々こうして前後を交代します。さて、ここまではスタートが遅かったのやら雨やらで少し遅れ気味。
takhino「ショートカットする?」桜木町の当たりをちょっと内陸を走ることにしました。
takhino「…あれ?」
…はい。道を間違えました。そして、横浜近辺で道を間違えると何が起きるか。…ええ、そうです、前回と同じです。突如現れる坂。
takhino「ごめん〜……!」


そんな坂の街、横浜の洗礼を受けつつ、首都高湾岸線の方へ。この道は車は多いけど、スピードは出しやすい!ただし今回は向かい風がちょっときつい!それでも道がまっすぐなので、おおむね30km/hで走り抜けることができました。


10:00、八景島シーパラダイスに到着です。

▲さて、八景島シーパラダイスですが、事前情報によると、どうやら初音ミクのイベントをやっているらしいのです。…行くしかない!

▲潜入〜。八景島シーパラダイスは、それぞれの施設ごとにチケットを買い求める仕組みらしく、島に入るだけならタダです。
それにしても、まさか「ここも一度は来てみたい…」とか言っていた場所にわずか1ヶ月後に来ることになろうとは…。

▲しかし今回のお目当ては水族館の中。もっとも、水族館好きには願ったり叶ったり。

▲…これは…!

▲お目当ての初音ミク、モデルとなっている楽曲は『深海少女』ですね。
D


サメやエイやウミヘビの中、たたずむ深海少女…なかなか良い雰囲気でした。
※この辺りで携行していたデジカメが不調になり…壊れてしまいました…。


さて、11:00。水族館も堪能したし、思ったよりも長居してしまいました。そろそろ走りだそうか…という矢先…。また雨が…。
いや、雨なんてものじゃありません。今回は豪雨です。そう言えば11時…つまりは事前の天気予報通り。

▲しかたが無いのでメリーゴーランドで30分ほど雨宿り。スマホで雨雲の動きを見つつ、雲の切れ間を狙います。「XRAIN」便利です。

第1行程(後半):八景島久里浜港

ようやく雨雲が去り、八景島をあとにします。コンビニで補給をし、12:00。久里浜港まで約20km、時間にして1時間。フェリー出港は13:15。…これは、ギリギリだ…。
先導はtakhino、全力で飛ばします。


ほぼ順調なペースで横須賀を過ぎ、久里浜港まで残り2km…!…ここまで余裕だったfeijaoが着いてこない。しばらく待っているとゆっくりと追いついてはきたものの、なにやらfeijaoの様子がおかしい。
feijao「すまん、エネルギー切れ…。」
なんと、このタイミングで!しかし、残り2km、タイムリミットまで12分!申し訳ないけれども休む暇はない…!無理を押して、気合いだけで走り抜けます。船着き場に滑り込み…
feijao「……!」
takhino「チケット買ってくる!」*2



▲なんとか…

▲ギリギリで…

▲間に合いました…。船を撮る余裕とかそんなのないです…。



▲さらば神奈川!いざ千葉へ!…海を渡れば、もう後戻りはできません。

▲向こう岸まで45分。とにかく今は回復です。二人ともエネルギー補給に専念。カロリーが高そうな物を選んで食べます。
しかし全力を出しすぎて2人ともグッタリ…。


【現在時刻】13:15(5時間45分)
【走行距離】約65km


「その2」へつづく!

*1:ビンディングシューズには自転車で走ることに特化していて歩行には向かないものもありますが、これはSPDという普通に歩き回ることも出来るタイプです。

*2:こういう時は普通に地面を走れるSPDシューズの強みが出る。

モフ分が足りない。

この頃、ずっとアスタリスクの子ばっかり描いていたのですが、おかげでモフ分欠乏症になってしまいました。モフ分は暑いとすぐになくなるので注意が必要です。もふもふ。


そこで、いつものメンバー。ところどころ髪型変えてみたり。


さらに、新しくネズミっ娘。


しかし…

某氏の卑猥な目線のおかげで登場直後からこの有様です。
貞操の危機です!誠に遺憾であります!
そんな目で見られたら、薄い本になるぐらいではすみません!
薄い本が厚くなります!厚くなっただけでは収まらず2巻になってもおかしくありません!
もうネズミ耳を直視できない!

ちょっと鎌倉行ってくる!(2日目)

1日目←)


さて、2日目。ここからが本番です。…しかしこの日、良く晴れていて、暑い。
ぐでぐでしながら朝食。


前日、甲府を目指したfeijao氏から「日焼け止めした方がいい。」とのアドバイスをもらい、さっそくコンビニで日焼け止めを購入。
手・足・顔、がっちり塗り固めて出発です。

第3行程:湘南台鎌倉大仏

第3行程は鎌倉大仏まで。ここまで来ていれば、それほど距離はありません。
今回は一度、江の島までまっすぐ南下、そののち海沿いを走りながら大仏を目指します。

駅近くの公園スタート。
前日、湘南台まで南下するのに使ったのと同じ藤沢街道を使っての南下なので、道も広く走りやすい。周りの風景がだんだん海の街っぽくなっていくのが楽しかったです。
唯一大変だったのは、やはり前日と同じく海風。ずっと向かい風なのと、体が温まりきらないのとで25km/h程度しかスピードが上がりませんでした。でも基本下り坂なのでそれほど体にこたえる感じはありません。
ぐんぐん進んで、トンネルを抜けると路面電車の線路が。そしてついに…



海だ…!


takhinoは生まれも育ちも内陸なので、ちょっとこれは感動しました。
少し雲も出てきて、風も涼しい。ここから、海沿いを走ります。この道はロードバイクの人が多いですね。すれ違いざまに挨拶など交わしつつ、カモメと一緒に風を切って走ります。…こ、これ、予想以上に気持ちいい…!


あまりに気持ちよすぎて、気がついたら大仏を通り過ぎていました。


思っていたより江の島から近かった。そして、思っていたより海からも近かった。海から歩いてこれる距離なんですね…知らなかった。
大仏のある高徳寺は入り口に駐輪場があります。ロードバイクで走るときに一番困るのは駐輪場所の確保。ありがたい。



こ、これが噂に聞く鎌倉の大仏…!

「今にもバーナー吹いて飛んでいきそうだなあ…」とTwitterでつぶやいたら、やたら受けていました。

お線香をお供え。

ほんのりレモン味のサイダー。美味しかったです。


ご飯どうしようかな〜と思ったのですが、海の家で食べる、という暴挙に出ました。

サイクルジャージ姿でいると一見ラッシュガードに見える。…が明らかに場違い。うん、知ってる。でもしらす丼が食べたかった。

第4行程:鎌倉大仏〜五反田

さて、鎌倉大仏を見に行く、という最大の目的は達しました。あとは帰るのみ…なのですが、実はこの鎌倉ツーリングにはもう一つの裏テーマが用意されていました。それは…


「1日で100km走る。」


…今までの最高は1日で60km。今回は100kmの大台に乗せたい。そこで帰り道は多摩丘陵を突っ切るのではなく、「東京都心を経由して帰る」という経路を選択しました。ともすると、ただ無茶をしているように見えるかもしれませんが、このルートは横浜・東京という大都市圏を経由して移動するので、コンビニ・病院・自転車店が多く、鉄道網も利用しやすい、という何かトラブルが発生したときの安全面を考慮しての選択でもあります。

そして、ただ走るのも…ということで、ちょっと難所を通ります。鎌倉から横浜への近道でもあります。

まずは鶴岡八幡宮へ。ここはここでちゃんと観光に来たい場所ですが…。ここを右に曲がると…。

良い感じの路地に出ます。古い道なんでしょうね。丘を巻くように坂の道が続いています。カントリーロード。ただ山の中を走るわりには思ったよりもずっと平坦で、この道を切り拓いた先人の知恵*1がうかがえます。そんな道も最後はだんだん坂になり…。

ここからは峠です。鎌倉霊園のそばを通る、100m級の小さな峠道。あとあと調べたところ「朝比奈峠」*2と言うようです。標高は低いけれども、坂はかなり急。これは…思っていたより…。
音を上げそうになるたび「…二之瀬よりは低い!」を合い言葉に頑張りました。…あらかじめ二之瀬峠に行ってて良かった。覚悟が違いました。


傾斜は特に横浜側が凄まじかったです。今回は下りで良かった…と心底思いました。車が多いのでスピードを出して下るわけにも行かず、ブレーキかけっぱなしで時折止まったりと、それはそれで手が疲れましたが。大型車両こそいませんが、交通量はそれなりにあるようです。


下りきると、八景島です。

ようやく一息つけました。シーパラダイス、ここも一度来てみたい場所です。


さて、この辺りで日が傾いてきました。少し急がないと。ここからは首都高湾岸線の下を突き進みます。風が背中を押してくれたこともあってか、40km/hというかなり速いスピードで走れました。無風でこの速度だとすぐへばってしまいそう…。

風に味方され、かなりのペースで横浜に到着!ここからは国道1号線第二京浜を使って五反田へ。…とここでfeijao氏から連絡が。
「二号線を走ることをお勧めする!一号線は起伏がねw」
…2号線…?ここらで五反田方向に向かう2号線というと…(1)環状2号線(2)県道(都道)2号線…どちらかかな。とりあえず迷うのも楽しそうなので、手近な県道2号線に入ってみることに。


ちょっと上り坂のようで、入り口に「綱島街道」と書いてあります。この時点で、少し違和感を感じたのですが、何も考えずに、えいや!と折れ…入ってすぐ、凄まじい坂が始まった時点で間違いに気がつきました。
「…しまった…これ、古道だ…。」
綱島街道」という古めかしい名前付きの道、折れ曲がりつつもまっすぐ北を目指す道の走り方…。まさか…恐らくこれは横浜の台地*3を南北に貫く、鎌倉街道の一角*4!つまりは人と馬のための道、車輪のある乗り物など全く考慮に入れていない!


これは、やばい。


takhino、一応ロード乗りになってまだ1ヶ月経ってないんだよね。
坂バカになるには、まだちょ〜っと早いと思うんだよね。


ここでfeijaoから連絡。どうやら二号線とは地元での通称、国道15号線…つまり第一京浜の事らしい。お互いが別の呼び方を知らなかったわけです。なるほど、これなら分からなくても仕方ない。
よし。ここで道を変えることに。「水道道*5なる道路に出くわします。これは…きっと水を引くための道路、アップダウンはこの道よりはマシなはず…!
…この考え方自体は間違ってはいなかったのですが、甘かった。実は鶴見配水池はその先の山の上にあったのでまた登ることに。お、おかしい…街中なのに峠レベルの坂が連続で…。道ばたの「傾斜10%注意」の標識は旅の疲れが見せたまぼろしだと思いたい…。

…あれ、陸橋になってる*6…いつのまにこんなに高く…。ていうか下を通っているの第二京浜国道1号線)じゃ…?ぼんやり見ている間にもローディーが2人、3人と走って行くのが見える…。
…これだ。これに乗るしかない。


かくして再び第二京浜に復帰することに成功しました。ここまで来れば第一京浜を目指すこともできますが…なに、ここまでの登り方に比べれば、第二京浜のアップダウンごとき、坂のうちに入らんわ。



た、多摩川…!この橋を渡れば…東京…!

なんとか、無事に五反田に到着!


ここまでの今日の走行距離60km。ここから家まで直行すると100kmに少し足りないかも…。

第5行程:都内巡り(レインボーブリッジ〜東京タワー)

ここで、feijaoと合流。都内巡りコースに連れて行ってもらうことに。わーい!

まずは、レインボーブリッジ。何度か渡ってはいるのですが、足下に来るのは初めてです。

左がfeijaoのGIANTのロードバイク。これで昨日、山2つ越えて甲府まで行ってきたらしい。無茶しやがって…。


そして東京タワー。「ここが実は絶好のポイントで…。」

…なんと道の真ん中。横断歩道が青信号のわずか数秒間がチャンス、というシビアさ。穴場にも程がある。
「そろそろ赤だよ〜。」…ほんと一瞬しかない!シャッター2回押すのが限界…!


あとは足下でパシャリ。

「この『工業製品』って感じが良いよねえ…。」同感です。

第6行程:五反田〜家


さて、残すは家まで帰るのみ。でも家に帰るまでが旅行です。
実際、ここから新宿までの山手線沿いはとても車が多く、気をつけないと郊外の道路より危険です。今回走って思ったのは、深夜のタクシーは怖い。とにかくかなりスピードを出して走っており、運転も普通の車より殺気立ってる感じで怖かったです。


ちょっとぼんやりしていたら六本木に行ってしまったのですが、まあそれでも無事、新宿まで来ることができました。この時点で23:40。
まだまだ足は平気なのですが、さすがに集中力が落ち始めています。焦らず速やかに。途中1回コンビニ休憩を挟み、25:00ジャスト。
スタート地点に帰ってきました。

ゴール!

この日の走行距離:120km。
2日間の総走行距離:178km。


手に体重かけすぎていたらしく、足より手が痛くなりました。さすがに次の日からは足が筋肉痛でしたが…w


宿泊あり、観光あり、峠あり、夜間走行あり…となんとも盛りだくさんでしたが、楽しんで走れた2日間でした。
そして、手応えを感じた2日間でした。ロードバイクでの旅、楽しい。
旅の間、Twitterはてなハイクを介して、情報をくれた皆さんありがとうございました!


しかし海沿いを走るの気持ちいい。今度は東京湾の千葉側も走ってみたいな…。

*1:あとあと調べたらこの道は、鎌倉七口の1つ「朝比奈切通し」から延びる道、つまり「いざ鎌倉」のための道のようです。入り口に八幡宮があったり、あんな山の中の古道なのにあり得ないほど平坦なのも、うなずけます。

*2:神奈川県道204号金沢鎌倉線。朝比奈切通しに代わる、新しい道。鎌倉から横浜に抜けるかなりのショートカットになりますが、相当な急坂です。

*3:川崎・横浜丘陵。実は多摩丘陵の一部が削り残されたもの。結局、1日目も2日目も多摩丘陵にやられた形に。

*4:綱島街道について、あとあと調べたところ、やっぱり鎌倉街道が原型っぽいようです。

*5:「すいどうみち」。横浜市主要地方道85号鶴見駅三ツ沢線。埋立地の横浜は昔から水に苦労していたようで、水を引くための水道道路が複数残っているようです。だからといってアップダウンがないわけでは…なかった。

*6:この場所は東京オリンピック前にランドマークとしてつくられた「響橋」。鶴見配水池の貯水塔脇を通ったり…と知らないうちに横浜の名所旧跡巡りになっていて、なんだかんだおいしい結果に。

ちょっと鎌倉行ってくる!(1日目)

鎌倉というと、関東では小学校の遠足先なんかでメジャーなようですが、三重県出身のtakhinoは今まで一度も行ったことがありません。
「行こうと思えば、東京から自転車で行けるよ。」
そんな話を聞いてからというもの、ずっと一度は行ってみたい…できれば自転車で。そう思っていました。
そして手に入れたロードバイク


…行こう。


とは言え、片道50km、途中には山もある。そして、ここ数年まともに体を動かしてこなかった自分…。準備をしないと…。
まずは周囲がやや呆れるペースで、家と新宿をロードバイクで往復して筋肉痛になってはアミノ酸を取り、眠っていた筋肉を無理矢理たたき起こすことにしました。膝が痛いのもおおむね膝回りの筋肉が弱いから…と見て、無理のない範囲で乗り続けました。とにかくロードバイクを買ってから鎌倉行きまでの期間は1ヶ月を切っている。スパルタでやるっきゃない。
何度か乗り回している内に、下りやハンドルの切れの良さに対する怖さもなくなり、腰や膝もそれほど痛くならなくなりました。最初は新宿と往復するだけで動けなくなるほどだった筋肉痛も、だんだん軽くなってくるのが実感できる。1回ごとに着実に筋肉が戻ってくる感じがちょっとうれしい。
走っている間は食べ過ぎ・飲み過ぎが良くないのも何となく分かってきました。あと脱水と熱中症も危険。

次に実家に帰省するついでに輪行して、いざというとき電車に乗せるための予行演習を行い…

さらに近所の二之瀬峠に出向いて、峠なる場所の雰囲気を確かめ…

feijaoにもらったハーフクリップを取り付け…


…よし。


え〜、というわけで行ってきました、鎌倉。途中で用事や観光をしながら、2日間で往復する計画です。
今回はポイントごとに全行程を6つに分けて計画を組みました。

第1行程:家〜淵野辺JAXA


朝7:30。奇しくもこの日、ハーフクリップをくれたfeijao氏も甲府を目指して国道20号線を走っているはず…。
自分と彼の無事を祈りながら、出発です。



多摩川を越えて淵野辺にあるJAXA宇宙航空研究開発機構)の宇宙科学研究所に9:00到着を目指します。奥に見える小高い森が多摩丘陵


多摩丘陵をなめていました…。
多摩ニュータウンと言えば「耳をすませば」のクライマックスで、かなり急な坂を2人で登っていくシーンがあるのですが…あの坂は、嘘じゃなかったよ…。
今でこそ拓けた住宅地になっていますが、元は森の生い茂る丘陵・小山だった場所。だらだら登りが続きます。ゆっくり行けば大したことはないのですが、この第1行程は「9:00着」という時間制限があります。噴き出す汗。まとわりつく湿気と焦り。やばい。


必死に走って何とか9:00ちょうど…JAXAにたどり着きました。

はやぶさに関する話や、新しい衛星計画の話も聞けて、宇宙へのロマンが…!


お昼はJAXA内の宇宙研食堂。
メニューは…ラーメンに冷やし中華に…意外と普通かも…。

…ん?

…!?
訂正します。JAXAの食堂は宇宙規模でした。
名状しがたき宇宙的恐怖のカツカレーも気になりましたが、JAXA丼を頼みました。

かわいい宇宙オムライスでした。

第2行程:淵野辺JAXA)〜湘南台


日が傾いてきたところで、今日の宿に向けて出発。

夜になってから、湘南を目指しました。日も暮れて涼しくて走りやすい!
海側から吹く風が結構強いので、ちょっと大変でしたが、道も広く、ずっと下りなので気楽に走ることが出来ました。しいて言うならもっと明るいライトを自転車に付けておくと良かったかも。
ゆっくり走って、さっくり時間通りに着きました。

晩ご飯は生姜焼き定食!駅の周辺を回ってみたものの、結局ホテル付きの食堂にしました。美味しかった!

ところで今、全国のファミリーマート初音ミク特集をしているのですが、おかげでどこまで遠くに行ってもコミケ5日目・6日目の雰囲気が抜けません。「ここだけコミケ湘南支部」みたいな雰囲気になっています。良いんだか悪いんだか…。
とりあえず、晩ご飯後なので、あまりコッテリしたものを食べる気にはなれず、未来野菜(ぽっぴっぽー)の野菜ジュースだけ飲んで、ぐっすり寝て次の日に備えました。


って、ぽっぴっぽー野菜ジュース、あんなに緑色しているのにキャロット味…だと…。


1日目の走行距離:50km
2日目に続く!

【C82】続・夏コミのお知らせです

夏コミ1日目、お疲れ様でした〜。
ここに来てですが、夏コミ2日目にtakhinoが絵を描いた缶バッジが出ます。

はてなハイクバッジ計画』


2日目(土)【西-い28b】「こくだランド」、昨年の夏にお世話になった告田戦車ことid:Akkiesoftさんのサークルです。
今回はEjectコマンドの本…ということでプログラミング関係のようですが、よく分かりません。まあ「こくだランド」がよく分からないのはいつものことだと思われます。ここに、はてなハイク缶バッジも出ます。



Akkiesoftさんがまだデザイン募集中〜と言っているのに気がついたので、昨晩描きたてホヤホヤです。
ロゴは今さっき作りました。このスピード感きらいじゃないんだぜ。
他の絵師さんも、ものすごい速さで動かれていて、一晩で3デザインが出揃うという…このフットワークの軽さがハイクだよなあ…とつくづく思いました。


はてなハイカーが描いた缶バッジ、今年は可愛いキャラクター物が多めです。
お近くにお越しのさいはどうぞ〜!