投げっぱなし日記

イラストとか、自転車とか、まったりゆるゆる。

ちょっと尾道行ってくる!(その3)

その1/その2/その3/その4


尾道旅行2日目。ホテルで朝食を食べて、ロードバイク尾道まで実走で移動します。
三原から尾道までの国道2号線は、ほぼ平坦な10kmの海沿いの道。ここにも自転車走行車線を示すブルーラインが所々に引かれています。*1

夜間走行だとまっくらなのですが、昼間に走ると気持ちが良いですね。遠くに尾道大橋が見える…。
電車の本数がやや少なめなので、時間によってはロードバイクの方が電車より速く移動できます。風を切って海鳥と併走するのが楽しい!海沿いの道の醍醐味です。


そうこうしているうちに尾道駅に到着。

▼第1話「青春のいじわる」

右側の坂道を登ると昨日行った土堂小学校です。

艮神社

さて、今日はここから神社に向かいます。

かみちゅ!』の舞台設定の上手いところは、観光名所をさりげなく舞台として取り込んでいるところ。普通に観光名所を回っていると、そこで聖地に行き当たるということが多々あります。
今回向かう場所の目印は千光寺公園ロープウェイ乗り場が目印。千光寺は尾道を見下ろす山の上の寺院で、街のシンボル。そのためこのロープウェイ乗り場周辺は観光客で溢れています。

自転車はここでもよく見かけます。日本一周しているらしき人も。


今回はロープウェイには乗らず、その隣にある神社に行きます。『かみちゅ!』の聖地巡礼としては外せない場所の一つ。
「艮神社(うしとらじんじゃ)」です。

▼オープニング

艮神社は『かみちゅ!』作中では「来福神社」の本殿として登場します。
境内のくすのきがとても立派で、荘厳な雰囲気を醸し出しています。


そしてこの神社、なんと真上を先ほどの千光寺ロープウェイが通るという、エキセントリックな構造をしています。いいのかそれで…。

千光寺に行くついでに艮神社を一緒にお参りしていく人も多いようで、参拝客が絶えない様子。



ちなみに、ここには特にアニメの絵馬などはありません。

招き猫美術館

さて、艮神社の境内で本殿に向かって左を振り返ると通用門が。

尾道名物、招き猫美術館の福石猫です。



▼「かみちゅ!大全ちゅー!」カバー裏


作中にも物の怪としてちゃっかり登場していたり。
▼第2話「神様お願い」


この招き猫美術館、中は古今東西の招き猫でいっぱい。残念ながら館内は撮影禁止なのですが、よくまあここまで集めたものだという感じです。
福石猫、買いたかったのですがお値段が…。噂では有名になってから値上げしたとかで…世知辛い世の中です。

御袖天満宮


次に向かった場所が「御袖天満宮」。

▼オープニング

作中の「来福神社」の本殿以外の場所は、ここ御袖天満宮がモデルになっています。
この階段は映画のロケ地としても有名なのだとか。



かみちゅ!漫画第1巻表紙



▼オープニング


ここは千光寺などがある場所から少し外れた所にあるためか、艮神社と比べると参拝に訪れる人はまばらです。




ですが、境内にはファンが残した絵馬がびっしり!2005年に放送されてもうずいぶんになるのに、今も新しい絵馬がかけられているようで、心が温かくなりました。長く愛される場所って良いですよね。


さて、自分も絵馬を描きたいのですが…社務所はどこなんだろう…。*2

普通の庭っぽいけど…もしかして…。



あった!



御袖天満宮社務所は、ちょっと分かりづらいんですが境内左手、普通の民家のようになっている場所がそれです。庭を通る形になるので知らないと入るのがちょっとはばかられるのですが、軒先に絵馬やお守りが置かれていて、呼び鈴で人を呼ぶ仕組みになっています。

丁寧に手入れされたお庭で、ツツジがとても綺麗でした。
竹の花挿し、さりげなく天満宮らしい梅の紋があしらわれていて素敵です。


呼び鈴を押すと、がらりと扉が開いて、中から人が。温和な雰囲気の奥様…。
「えーっと、絵馬を1枚と、交通安全のお守りと、あとはどうしようかな…。そうだ、このお守り鈴ください。」


そのまま軒先で話し込んでしまいました。
「東京から自転車をもって来たんですよ〜。あ、折りたたみ自転車じゃなくても分解して新幹線に乗せられるんですよ。タイヤだけ外して、重ねて。」
「ああ、サイクリングロードができたものねぇ。うちの子も昔、今治まで行くって言い出したことがあってね。普通の自転車だったんだけど、帰ってきたら体中痛くなっちゃって。それでお医者さんに見ていただいたら『運動のしすぎです』って。」


昔、旅の大学生二人組が泊めてくれと訪ねてきたなんてエピソードも話してくれました。
「そんなこと今までなかったから私はドキドキしたんだけど、うちの主人も、昔はバイクに乗って旅をしていたらしくってね。それできっと自分も困ったことを色々経験していたから放っておけなかったんでしょうね。境内を貸したの。次の日起きたら、二人は先を急ぐらしくてもういなかったんだけど、その後年賀状が届いてね。『あの時はお世話になりました』って。」


「なんだ。」
「昔の話をしてたんですよ。」
「そうか。」
ご主人…神主さんかな。ちょっとぶっきらぼうだけど、今の話からして、きっと優しい人なんでしょうね。


「ここは『かみちゅ!』派の人もよくいらっしゃるんですよ。皆さん絵がお上手で。」
あ、それ、私もです。
メッセージノートが設置されていたらしいのですが、設置していた人が『もうそろそろ良いかな』と数ヶ月前に止めてしまったそうです。残念。


ゆっくり書いていってくださいね、とのことで、境内で絵馬を描かせてもらいました。絵馬自体、初めて書いたのですが、文字はともかく絵を描くのはなかなか難しい…。木目で滲むし、筆が引っかかる。
そんな所に境内の剪定をしていたらしきご主人が歩いてきました。担いでいるのは切り落とした桜の枝かな?さくらんぼが実っています。
「食うか?」
「いいんですか!…ではお一つ…。」
「おう。」

ちょっとぶっきらぼうだけど、優しいご主人です。*3


そんなこんなで小一時間。

「できた!」

しっかり掛けてきました。さくらんぼ、ごちそうさまでした。おいしかったです!

浄土寺〜ゆりえ様邸

御袖天満宮をあとに、最後のポイントへ。

▼第16話「ほらね、春が来た」


浄土寺前の参道は見晴らしが良く、尾道水道尾道大橋がよく見えます。


この付近は急坂が多く、自転車で進むのは少し骨が折れます。ロードバイクで良かった。

▼第16話「ほらね、春が来た」


そんな坂の先にある民家、ゆりえ様邸です。

▼オープニング

作中だと向島にあることになっていますが、実際は本州側、東久保町にあります。
うん、満足!


寄り道しているうちに時間がなくなってきました。
いい加減しまなみ海道に行かないと…。急いで駅前に戻り、装備を調えます。
既に14時半、今の時間からだと、しまなみ海道走破は難しそう。でも御袖天満宮で世間話をしたり、さくらんぼをもらったり、ああいうのが旅の醍醐味だと思うので、本望です。
とにかくしまなみ海道、行けるところまで行ってみよう。


「その4」へ続く!

*1:呉市から三原市までの国道185号線はマイナーなものの「R185さざなみ海道」として整備されているのですが、ここ三原〜尾道間の国道2号線はその延長にあります。ここも正式にさざなみ海道に入れてしまって「瀬戸内しまなみ海道安芸灘とびしま海道〜さざなみ海道」の「三海道一周」200kmコースというのを公式に打ち出せば良いのに、と思うのですが、いかがでしょう広島県のエラい人。

*2:実は1日目も一応来てはいたのですが、どこで絵馬を販売しているのか見つからなかった。

*3:しょうちゃんみたいなぶっきらぼうなご主人と、みこちゃんみたいな優しい奥様…おおう、このお二人色んな意味で素敵すぎる…。