投げっぱなし日記

イラストとか、自転車とか、まったりゆるゆる。

どうして最近の絵柄だと鼻筋をしっかり描かないのか考えてみた。


確かに90年代の絵と比較して、2000年代の絵では鼻筋を描くことが減りました。
ただ、それで「リアルから離れているか」と考えると、自分にはなぜかそんな気がしません。なんだか自然な気がします。これはどういうことなんだろう…。
というわけで、コントラストの面から考えてみました。
人間は視覚認知の際に、コントラストを重視しがちです。なのでいろんな人の顔をあれやこれやとPhotoshopで白黒2値化してみました。



まずはマリリンモンロー。コモンズからお借りしました。思っているより、鼻筋と顔面のコントラスト差は少ないみたいです。ただし目の堀にさしかかった辺りは鼻筋が結構目立ってますね。どちらかというと鼻筋より鼻の下に影ができているのが目立ちます。



お次は「光速の(以下略)」ライトニングさん。やっぱり鼻筋自体にはそんなにコントラストがある感じじゃ無いです。2chでは『3Dは完全な外人顔だから高く描いても違和感ない』と言われていましたが、コントラストの面から見ると鼻が高かろうがたいしたコントラストじゃないから目立たない、という感じです。


というわけで、「鼻筋は積極的に描かなくても自然に見える」というのはコントラストの面からするとわりと自然なことなのかもしれません。描かない方がかわいいという理屈はよく分かりませんが、人間は顔を見るとき目や口と比べると、それほど鼻を重要視していないという可能性はあるのかなと思います。


ちなみにPhotoshopを使って輪郭検出すると鼻筋はしっかりと検出されます。そこから考えるに、90年代のイラストは輪郭という「線」に主眼を置いた平面的表現だったのが、ゼロ年代コントラストという「面」に主眼を置いた立体的表現に軸足が移動したのかなと簡単に考察。

追記

今回の考察ですが、「どうして鼻を省略しても人の顔として自然に見えるのか」の回答にはなり得ても、「なぜ鼻を点で描くようになったのか」の回答には全くなってません。「人の顔として自然に見えること」についても、コントラストで見たとしても2値化は相当乱暴な手法で鵜呑みにするには危ういことは頭に入れておいてください。


穴だらけなのは自分でよく分かっているので、これを叩き台にいろんな人が考えてくれると俺得だな〜と他力本願でいたところ、ナイスなトラックバックをいただきました。

「鼻が点で描く」ことのアドバンテージを上手いこと説明してます。確かに、美肌は「凹凸がない」のが基本。より美しく、かわいく見える方向に絵のフォーマットが「進化」したというのは、なるほどです。