投げっぱなし日記

イラストとか、自転車とか、まったりゆるゆる。

ちょっと三ツ峠山、行ってくる!(前編)

ヤマノススメ

山に行きたいなあ…。
この夏は渋峠に行ってきて大いに満足したのですが、それから夏の終わりにかけて急激に天気が悪い日が増え、どこにも出かけられない日が続きました。悶々としたまま9月も半ばを迎え、ようやく天候が落ち着きはじめたのでした。

山に行きたいなあ…。でも自転車に乗るのはちょっと厳しいかもしれない。
実は渋峠で膝に矢を受けてしまってな…。
というのは冗談にしても、実際少し膝を痛めたようで、変な方向に捻ると痛みが出ます。無茶をすべきではないけど、折角久しぶりに晴れそうな週末、外に行きたい…。

そうだ、登山ならどうかな!?

そもそも、この「山に行きたい」欲はアニメ『ヤマノススメ』を見ていてのこと。だったら、もういっそ聖地巡礼の名目で山登りしてしまえば良いんだよ!確かに登山も膝に負担はかかるけれど、自転車で使う部分とは違うと思うし、何よりロングライドと比べれば大きな負担ではありません。*1

行き先は…うーん、正直takhino、関東の山をあまりよく知りません。
じゃあ…ヤマノススメに出てきた三ツ峠山にしよう!
そうと決まれば用意しなくっちゃ!

ひさしぶりの本格登山!!

そもそも三ツ峠山ってどんな山なのかというと…

三つ峠(みつとうげ)は、山梨県都留市西桂町富士河口湖町の境界にある標高1,785mの山である。峠ではない。三ッ峠山と呼ばれることもある(国土地理院の地図や山岳関連図書では三ッ峠山と紹介されている)。

三つ峠 - Wikipedia

山頂からは眺望に恵まれ、富士山、御坂山地、南アルプスが一望できる。条件が良ければ、飛騨山脈の槍穂高連峰を遠望することも出来る。

三つ峠 - Wikipedia

標高1785m…結構な高さですね…。麓の三つ峠駅からの標高差はおよそ1100m。
三ツ峠山の山頂に至るコースは大きく分けて4つ。今回はその内、最も標高差の大きなAコース(表登山道)と山頂とのピストン往復です。なにしろ『ヤマノススメ』の作中でそうなってるので、そこは外したくない…!でも、大丈夫かな…。

takhinoは登山に関しては、ド素人ではないけど、そこまで豊富な経験もありません。自分の能力と照らし合わせて、本当に大丈夫なのか、よくよく考えます。

最近はせいぜい日の出山や高尾山に行ったことがあるくらい。高尾山(599m)の標高差は400m程度で登山という感じの道ではないし、日の出山に至っては完全にハイキング。
登山らしい登山はもっと昔にさかのぼって、小学生の時の遠足で藤原岳*2御在所岳*3に登ったことはあるけど…。たぶんそれがすこし長くなった程度…かな…。ただ山は標高差だけでは計れない。斜度がキツければ難易度は跳ね上がります。調べてみなきゃ…。

物の本によれば、三ツ峠山は技術的難度は初級者レベルだけど、体力は中級者向け。
他の聖地巡礼の登山者の記録からも、どうやら大きく分けて「高尾山とは比べものにならないほどキツかった。」という感想と「コースが長かった。/時間がかかって日が暮れそうだった。」という感想が散見されます。
体力面は、中級というのが気になりますが、自転車とは言え、渋峠までの2000mを登れてるんだから、たぶん何とかなる!後は時間です。時間をたっぷりかけられるように、「早出・早着」を心がけよう。

後はこれらの情報に基づいて「死なないための装備」を調えれば…!


じゃーん!登山装備のいっちょ上がり!

実は、今回の準備で分かったのですが、ロングライド装備と登山装備はよく似ています。
今回、登山用として新たに準備したのは、「登山地図」「コンパス」「笛」「エマージェンシーシート」「ヘッドライト」そして「登山靴」と「帽子」。
あと、雨具。「レインジャケット」に「レインパンツ」。

ヘッドライトは時間が遅れても安全を確保するための重要装備。登山ではどんな低山でも持っていくように…とされているみたい。いくら時間的余裕を十分にとっても、怪我や不調で遅れることはままある…のは前回の渋峠で身を持って体験しています。

雨具も渋峠の反省から。気温が低い場所での降雨は危険そのもの。これまでのレインジャケットは透湿性がなく、着ていると結局汗で濡れてしまうので、ちょっと高いけどゴアテックスを採用です。あわよくば自転車用にも流用したいという目論見もあります。

そして登山靴。持ってる靴が少しへたってきたのもあり、ソールが堅めのしっかりしたトレッキングシューズ(軽登山靴)を買いました。ソールが堅めなので岩場でも安定して歩ける、水が染みこんでこない防水性能がある等、山歩きに特化した靴です。なにより、自分の足にぴったりの専用靴がいかに優秀かは自転車のビンディングシューズでよく知っている!

あとは…というと、あり物です。
ザックは自転車用だし、日焼け止めやファーストエイドセットはいつもロングライドでサドルバッグに入れている物。
服装は速乾性のある化繊がよいとされているので、アームカバーやサポートタイツはロングライド用だし、ハーフパンツは輪行時に使っている物。
水筒はいつもの自転車用ボトル。GPSロガーGARMIN Edge。

半分以上…というか大半の装備がロングライド用でまかなわれてしまった…!

両方とも全天候への対応という、比較的厳しい環境を想定したスポーツですから、装備が似てくるのは当然なのかもしれません。

そもそも、サドルバッグの防水性に頼らず、こうやって1つずつスタッフバッグやジップロックにパッキングして防水性を確保する…って考え方自体、登山技術からの流用らしいですし。

いざ三ツ峠山へ!

始発の電車で東京から山梨へ…。4時起きとかですが、これまで早出というと日をまたいでのナイトランが基本だったので、寝て起きて活動開始できるだけで、ものすごく余裕です。
それにしても寒い。あまりに寒いのでレインジャケットを羽織ります。やっぱりゴアテックすごいよ…全然蒸れないよ…。これなら自転車でも使えるよ!

大月で富士急行に乗り換え。登山客らしき人がちらほらいます。

世界遺産に登録された富士山推しの車内。自分の他に山ガールが2人。


▲Let's 三つ峠!ちなみに、左手奥のピークが三ツ峠山


▲さっそくヤマノススメのボードがお出迎え。ずいぶんと力が入っています。


三つ峠駅。ちょっと観光地感を出し過ぎてる場所が所々ありますが、なかなか雰囲気のある駅舎です。


▲服装間違えたかなあ…と思うほど肌寒い三つ峠駅
 駅前はほとんど何もありませんが、自販機があるので温かいコーヒーを補給。
 まだあまり日が昇ってないので寒い…早く動いて体温上げなくちゃ…。

三つ峠駅で降りたのは自分を除くと2人だけ。電車内にいた、あの山ガール2人組です。三ツ峠山に登るグループだったんですね。それにしてもキツいこのAコースをチョイスするなんて物好き…って自分もですが。
今回は初めての単独行なので、誰かが一緒のコースというのは、ちょっと心強いです。自分がコーヒーを飲んだり、GARMINを起動したり、周りの写真を撮ったりと、準備をしている間に先に行ってしまいましたが、きっと山の中に入れば追いつくでしょう。


▲良く晴れていて、富士山が綺麗です。駅からも見えていますが、この広場が下界では一番良い景色。


三ツ峠山の山頂(開運山)は、右奥の一番高いところ。アンテナがある場所です。


▲確かに普通の道をひたすら歩きます。1km程度で三つ峠グリーンセンターに到着。

ここの石碑には南無阿弥陀仏…と、ちょいと難しい旧字で書いてあります。
たぶん登山の無事を祈るとか人が亡くなったとかではなく、ここ三つ峠が本来は修験道の霊山だから。今回のルートはその意味でも、まさしく「聖地巡礼」なのです。


三つ峠駅から山頂まで3時間45分。

このタイム、山と高原地図や、他の案内図と比べるとかなりの健脚っぷりなペースタイムです。カメラを構えながらだと、この通りはきっと無理だろうなあ…。
犬を連れたおじさんが登山道の方からおりてきました。
「これから登るのかい?八十八大師って所からはスカイツリーが見えるよ!」
本当ですか!それは楽しみ!


▲ここにはトイレ兼登山ポストが。
 万が一、何かあったときは、ここで書いた登山計画書が捜索の手がかりになります。
 しっかり出して、出発です!


▲山祗(やまずみ)神社。山神をまつった小さい神社です。ここから本格的な登りが始まります。


▲…が舗装路はまだまだ続きます。登山口いつ着くんだろう…。


▲神鈴の滝遊歩道。立て札には「三ツ峠登山道 近道」となっています。
 木片チップが敷き詰められていて歩きやすそう!


▲「『神鈴の滝』って言うんだって。」とのことですが、アニメで映っているのはどう見ても砂防ダムの様相…。むしろ手前の方がきちんと天然の滝のように見えるのですが…。


▲落差はほとんど無いのですが、小さな滝が連続して爽やかな渓流になっています。

この辺りから道が一気に山道らしい傾斜になってきます…が、それでも続く舗装路。行っても行っても舗装路…。こ、これ、いつまで舗装路なんでしょうか…。

すでに駅を出て1時間半…。

あれ…楽しくない…しんどい…足は痛いしザックが重い…辛い…


▲や…やっと登山口に着いた…!


▲この橋を渡れば登山道!

それにしても正直、舗装路で心が折れそうでしたが、ようやく山道にたどり着きました。山道って良いね!土と落ち葉って良いね!
さあ、こっからが本番です!登るよ!

つづく

takhino.hatenablog.com
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*1:いや、登山だって膝に負担はかかるんですよ?ただ、相手が15時間ぐらいのロングライドなので、比較対象がちょっとおかしい。

*2:藤原岳三重県滋賀県の境に位置する、鈴鹿山脈の北部にある標高1144mの山。花の百名山として知られ、四季折々さまざまな花が咲き乱れる。

*3:御在所岳三重県滋賀県の境に位置する、鈴鹿山脈第3の高峰にして最も有名な山。標高1212m。藤内壁というロッククライミングのメッカを擁する。この付近は気候帯が入り組んでいるため多種多様な生物が見られる。