投げっぱなし日記

イラストとか、自転車とか、まったりゆるゆる。

ちょっと尾道行ってくる!(その4)

その1/その2/その3/その4】

しまなみ海道

さて、今回の旅行は尾道観光がメインだったのですが、自転車乗りとしてはここまで来たからには「しまなみ海道」も渡らなくては。ということで、ようやく尾道の聖地巡りを切り上げてしまなみ海道に向かうことにしました。


しまなみ海道」は広島県尾道市から愛媛県今治市までを繋ぐ全長70km程度の道です。瀬戸内海の島々に架かる橋を走り抜けて海を渡るコースで、サイクリストの聖地です。
本来なら朝から向かうはずだったこのコース。聖地巡礼に時間をかけたせいで、時刻は14時30分…。
今回は宿が本州側なので四国方向に走ると戻ってこなくてはいけません。そのフェリー最終便がゴール今治港を18時40分出航。時間制限は3時間50分。これは、ぎりぎり…アウトっぽい。
だけど、ここまで来て走らないという選択肢は無い!行けるところまででいいから行ってみたい!

…行ってみよう!

尾道向島(→岩子島

まずは尾道から向島(むかいしま)へ。
尾道から向島へは陸路として尾道大橋があるのですが…、

▼第1話「青春のいじわる」

実際は尾道大橋は無料で渡れるものの歩道はワイヤーで埋まっており、自転車を押しての通行は困難。ロードバイクの速度なら車道を走ることもできますが、道幅が狭い上に交通量が多く危険です。


そこで通常、歩行者・自転車が尾道向島を移動する場合は渡し船を使います。渡し船は3つ。
尾道(駅前)と向島(富浜)を結ぶ駅前渡し船向島運航」。


これと交差する航路で尾道(土堂)と向島(小歌島)を結ぶのが「福本渡船」。


一番東よりにあるのが尾道(土堂)と向島(富浜)を結ぶ「尾道渡船」。


今回は昨日の聖地巡礼でも回った「福本渡船」を使って島へ渡ります。

尾道渡し船はどれも大人100円と安いのですが、この福本渡船はさらに安い。大人60円、自転車込みでも70円。破格です。
まあ、安くなくても聖地巡礼的に福本渡船一択ですけどね!!!


などと言っているうちに向こう岸に着きます。片道3分程度。

▼オープニング



▼第1話「青春のいじわる」

渡し賃は向島側にある料金所で払う仕組みです。



さて、ここから先はしまなみ海道をひた走ります。このブルーのラインがルートの目印。
向島市街地を抜けると、海岸沿いの道が続きます。うーん気持ちいい!




先を急がないと行けないのですが、ちょっと近くの岩子島(いわしじま)に寄り道。ここにも聖地があるはずなんだけど…。たぶんこの海水浴場だと思うんですが…これまでと比べるとやや確定要素が少ない…。でも、とても綺麗な浜辺でした。

…いや、これで聖地巡礼は最後です。ここからは真面目に走りますよ!
15時00分。

向島因島大橋因島


向島に戻り、ブルーラインをまたたどって走り続けます。

最初の橋、因島大橋です。海抜0mから50mまで登るのですが自転車は車とは別の入り口が設けられていて、緩やかな上り坂になるように橋までのアプローチ部分が設定されています。

うーん、中々の高さ…。この橋は骨組み内部を通るので、あまり見晴らしは良くありません。
あと、通行券を買ってなかったので現金払いになってしまった…。
橋を渡り追えると、またアプローチを下り、次の島へ。因島(いんのしま)です。


さて因島に入って早々、「うっかり」道を外れてしまいました。いや、行けると思ったんだけどな…。
本来海岸沿いに進むべき所を、島のど真ん中へ。思っていたよりずっと「山」でした。
な、なんだこのプチ峠道…なんで自分ダンシングしてるんだろう…。

因島水軍城の入り口まで着いたのですが、見て回る気力は無く…。
おかしいなあ…そこまで長い坂でもなし、なんでこんなに疲れてるんだろう…。

因島生口橋生口島瀬戸田

色々な疑念を振り払いながら、島のど真ん中を突っ切って、ようやく対岸へ。距離的にはショートカットだけど、時間的にはトントンだったような気がします。
さて、次の橋は生口橋(いぐちばし)。みかん畑に取り囲まれたアプローチを駆け上ります。

きたー!


これこれ!こういうのを待っていた!と言わんばかりのオーシャンビュー!
最高です。
生口橋を降りた先の生口島ツツジ咲き乱れる綺麗なルートでした。道も広くて走りやすい。

この島には途中にドルチェのお店があります。これがまたおいしい。


特産のはっさくのドルチェいただきました。補給食としてはカロリーがないけど…美味しいからいい!

生口島瀬戸田)→多々羅大橋大三島

17時00分。さすがに日が傾いてきました。ちなみにこの日の日没時間は18時58分。フェリーの時間的にも残り1時間が勝負かな…。

多々羅大橋。ここも綺麗な橋です。そうそう、時間的なこともあってか、橋の上は自転車だけでなくランナーも多かったです。

大三島(おおみしま)に上陸!なぜかあるヘリコプター。

今治まで34kmを残して18時00分。タイムリミットまで40分。やはり完走はちょっと厳しいペース…。

大三島大三島橋伯方島→伯方・大島大橋→大島(友浦港)

ここから先は橋から橋までの間隔が短い区間が続きます。

大三島橋。これまでと比べると、とても短いアーチ橋です。そしてこの橋の向こうが、伯方島
は・か・た・の・しお!
伯方島が一番区間としては短く、観光しないとあっという間に通り過ぎることになります。



伯方・大島大橋へのアプローチに到着。ああ、日が沈む…。
さらにここで、今まで駆け上がることができていたアプローチで息切れ。因島以降ずっと違和感があったけど、なんだか膝が痛い…。

何とか橋を渡りきり、18時30分。大島はしまなみ海道のルートが島のど真ん中を走ります。
もしリタイアして、フェリーの途中駅で拾ってもらうなら、ルートを外れ海岸を進む必要があります。

日も暮れてきたし、そろそろ今治から最終フェリーが出るころ。今日はここまでかな…。
残り20km、3連橋を残してDNFを決めました。
さて、そうと決まれば離脱です。大島東岸に友浦港という港があります。ここに今治を出たフェリーが到着するのが19:00。
それまでに着いていなければ。痛む膝をだましだまし、漕ぎ進めます。
ところがフェリー乗り場が見つからない…しまなみ海道を外れてしまっているため、道に看板がない…。

ん…?これは桟橋のゲート…?

「友浦待合所」…もしかしてこれ…なの…?

なんとか5分前にチケットを調達。あ、危なかった…!
いや、せめてあの赤い桟橋ゲートに「友浦港」のような表示があれば良いのですが、このしまなみ海道ルートから外れた場所は、完全にそこら辺の土地勘がある地元民対象のようで、全く表示らしい表示がないのでした。


そして到着した高速フェリー甲板に自転車を乗せてもらい、自分は客席へ。さよなら四国…!ちょっと名残惜しいけど、きっと次は上陸する…!
日暮れの港を離れ、ゆっくりと船が動きだします。

…!?
…「友浦港」表示、海側に向いてるのかよ!!!!!!

因島(土生港)→因島大橋向島尾道


帰りは高速フェリーでショートカット!
…とはいえこのフェリー、実は尾道まで行く訳ではなく、因島の土生(はぶ)港が終点です。
時間は19時50分。ここからは完全にナイトラン。

それにしても、しまなみ海道は夜走ることは全く想定されていないらしく、とにかく街灯が少ない…。
今回2灯体制だったからよかったものの、1灯ではとても走る気にならないほど暗い区間も多かったです。

因島大橋に到着。灯りだー!ところが一番暗い区間がこの先にあったのでした。橋へのアプローチです。
完全に街灯がない真っ暗闇、2灯体制ですら暗い。怖い。そうかヘルメットに着けるヘッドライトってこういう時に使うのか…。
写真を撮ろうかと思ったのですが、あまりに真っ暗なのでシャッターが降りませんでした。

かろうじて撮れたのはアプローチの終わり、街頭が見えるようになった付近だけでした。


なんとか橋を渡りきり、向島へ。向島は市街地を走るので気が楽です。灯りって素晴らしい!
問題はどうやって尾道に渡るのか。時間はすでに21時20…。
ちょっと心配だったのですが…

こんな夜中でも、まだ動いていました福本渡船!頼りになります!!!

21時30分、尾道に無事到着しました。


とにかく夜道はひたすら心細かったのですが、そんな中チリンチリンと音を鳴らしていた御袖天満宮のお守り鈴が、気持ちを楽にしてくれました。

買っておいて良かった!

…という3日間でした。

そんなこんなで、2日目が終わり。
3日目はほんの少し聖地巡礼の取り残しを…まだやるかと言われそうですが…見て回り、お土産を買い、電車に乗り込んだのでした。デビューしたての新米ローディー整体師さんの輪行を手伝ったり、3日目も楽しかった!
時間に押されっぱなしでしたが、とても満足の3日間でした。尾道、ほんと素敵な町です。色んな人とふれあい、話ができたのが何より楽しかった。縁っていいですね。


しまなみ海道は、いずれリベンジしに行きます。待ってろ四国!