投げっぱなし日記

イラストとか、自転車とか、まったりゆるゆる。

ちょっと東京湾一周行ってくる!(その2)

その1/その2/その3/その4
東京湾一周200km、トラブルやら豪雨やらエネルギー切れやらで予定より遅れ、ヘトヘトになりながらも、なんとか1時間に1本のフェリーを捕まえることができたtakhinoとfeijao。とりあえずフェリーの中で軽食を取りながら一休み。久里浜港から金谷港までの45分間、休憩することができました。

第2行程(前半):金谷港〜上総湊


フェリーの中の貴重な休憩時間もあっという間に終わり。14:00、金谷港に着きました。体調は…ずいぶん回復しています。この便で降りる自転車はtakhinoとfeijaoの2人だけ。逆に今から神奈川県側に向かう自転車乗りは、結構いるみたいですね。

ここからは完全に未知の領域。feijaoの持つGPSが頼りです。フェリーを見ながらルートを相談。feijaoに先導してもらいます。東京・神奈川を走っていたときとはうって変わり、焼き付けるような太陽と真夏のような蒸し暑い空気。雨も大変ですが、これはこれで体力が削がれそうです。



海を見ながら走るのはやっぱり楽しい!もっとも鎌倉の時に走った湘南の砂浜とは全く景色が違い、ここ房総半島は海岸といっても岩場、磯が広がっているようです。
…と、40分ほど気持ちよく走っていた所で、異変は起きました。


「バシュッ!」


…みるみる潰れてゆくfeijaoの後輪。…パンク…!急遽停車してタイヤを調べます。…貫通していました。
もちろん、替えのチューブ等は持ってきているのですが、チューブ交換は意外と時間を食います。小さな携帯ポンプでは空気はなかなか入りません。繰り返しポンプを押すので体力を消耗します。そして何よりも精神的に消耗します。ロードバイクを買ってわずか40分でパンクしたtakhinoです。その恐ろしさは身に染みています。その教訓からtakhinoは携帯CO2ボンベを持ち歩くことにしています。これは使い切りですが、一瞬でチューブにガスを入れることができる優れもの。
takhino「ボンベあるけど、使う?」
feijao「いや、空気入れでやるわ。」


30分後…


feijao「お〜い、ちょっと来て!」
そろそろ空気が入り終わる頃だけど…何かあったかな?
feijao「ボンベ貸して…。」
なんと、虫ゴムが外れて、一度入れた空気がすべて抜けてしまったらしい…。うわあああああぁぁぁぁ…。ポッキリと、心が折れた音が聞こえました。


CO2ボンベでサクッとガスを入れて、出発です。すごい、本当に一瞬だった。ボンベは偉大だ。
途中で立ち寄ったニコニコドライブイン、有名所らしく、ご飯もおいしいとのことでしたが、残念ながらカーテンが降りていました。自販機でジュースだけ飲んで先を急ぎます。
少し先の上総湊で「鈴乃屋」というそば屋さんを見つけたのでそこに入ることに。そばって消化良いけどカロリー低いのよね…。足りるかなあ…。

意外と大盛りだった。


第2行程(後半):上総湊〜富津岬

takhino「この辺りの景色、うちの田舎がちょうどこんな感じだよ。」
feijao「親戚の家がこんな感じだな。」
takhino「しかし、曲がり角を抜けると海っていうのは山の町にはない魅力だなあ…。」
軽口を叩きながら、進む二人。しかし、二人とも内心焦っていました。時間は15:00を回り、日が傾きかけています。順調に行っていればすでに都市部まで走っていた頃…ここで、この街灯ゼロ地帯で日が暮れるのはまずい。しかし、それでも立ち寄りたいポイントが一つありました。「富津岬」。東京湾にせり出した房総半島の岬です。
トラブルもなく順調に進みながらも、日はどんどん傾き水平線に近づいてゆく…。西向きに進むと目に夕日が突き刺さる…。でも待てよ。これは、もしかして…。
淡い期待とともにたどり着いた富津岬の展望台。



絶景でした。
この岬、真西に向いているので、この時期のこの時間帯はちょうど太陽が展望台の向こう側に沈むのです。全くの偶然ですが、この時期この時間にしか見られない光景。来て良かった!
それにしても、ここは本当に良い場所です。ぐるりと360°、東京湾が一望できる。

▲あっちは南西、神奈川県側。左端が久里浜港、フェリーに乗りこんだ場所。もうヘトヘトだったっけ。

▲そしてこちらが南、千葉県側。右端が金谷港、途中でパンクしたのが大変だったなあ。

▲そしてやってきた富津岬。東側をこうして見ると、本当に岬の先端なんだなあ…。右側の海岸線がここまで来た道。そして左側の海岸線がこれから走る道。

▲北東…ビルが見える!都市部だ!あれは工業地帯…千葉市の辺りかな…。

▲ゴールの東京は…。

▲……。

▲…………あそこ。


feijao「…あと60kmぐらい?」
takhino「いやぁ、あと100kmぐらい!…今ちょうど…半分…………。」


夜の闇とともに、絶望が舞い降りてきました。


しかし残りの行程を気にするあまり、takhinoは気がついていませんでした。
本来ならば暗闇以上に注意すべきだった事態が、すぐそこまで迫っていたことに。


【現在時刻】17:45(10時間15分)
【走行距離】約100km


「その3」へつづく!