蛍光灯は今さら昼光色を選ぶ必要はないんじゃないかと思った話
蛍光灯が切れてしまったので、自分の部屋の蛍光灯をまるっと変えることにしました。
さて、蛍光灯には色の違いでいくつか種類があるわけです。
これまでは自分の部屋には昼光色という色の蛍光灯を使っていたのですが、
これを機会に昼白色という色に変えることにしました。
で?何か違いがあるの?と言われそうですが、
いやいや、馬鹿にしちゃいかんですよ。でっかい大違いですよ。
てなわけで、ちょっとした色のお話。
色温度ってなんだ
色温度というのは平たく言うと、白色を数字で表すための尺度です。
白は白じゃん、という感じですが、まっ白い紙を持っているとして、
それをろうそくの下で見るのと、太陽光の下で見るのと、蛍光灯の下で見るのでは色が違って見えるわけです。
ろうそくの光は赤っぽいし、蛍光灯の光は青白い。
そこで、まっ白い紙がどのくらい赤っぽく見えるか、青っぽく見えるかを示す尺度として、
物が熱されたときに発する光を使うことにしたのです。
鉄を熱すると真っ赤に光る、というのは良い例。もっと熱すると白っぽくなってきて、
さらに熱すると青白っぽくなっていきます。
このときの温度を尺度にしたわけです。単位はK(ケルビン)。273K=0℃のことです。
色と居心地
赤っぽい色、青っぽい色…
色の種類によって人が感じるイメージには違いがあります。
赤は暖かいイメージ、青は冷たいイメージってのは、感覚で何となく分かりますよね。
さて、ここで問題。
赤っぽい色と青っぽい色、どちらが居心地がいいと感じるでしょうか?
…そう、赤っぽい色の方ですね。暖かい色は落ち着きます。
試しにレストランなんか覗いてみましょう。照明はオレンジっぽいはずです。
オシャレにろうそくなんて所もありますね。そう、炎の灯りも赤っぽい色です。
ホテルの室内照明なんかもこの系統です。熱帯夜ならともかく、寝床がギラギラと青白く冷たいイメージなのはちょっと勘弁です。
そこで蛍光灯を選ぶわけだが
さあ、ここまでのことを踏まえて蛍光灯の色について考えてみましょう。
蛍光灯の色には現在おもに3つの種類があります。
- #0066CC;">昼光色:一番青っぽい色。蛍光灯の中で一番代表的、というか最初に作られたな色で「クール色」として売られている。およそ7500K。
- #CC6600;">昼白色:少し黄色がかった色。歴史は昼光色に比べ新しい。3つの中で最も太陽の光に近い「ナチュラル色」。およそ5500K。
- #CC3300;">電球色:オレンジがかった色。穏やかで暖かな、まさに「電球色」。およそ2800K
さて、店頭では「文字が読みやすい。活動的。書斎や勉強部屋には昼光色」
などと宣伝されているわけですが、自分には、これが家電会社の方便に思えて仕方がない。
たしかにその瞬間は見やすいかもしれない。
でも何時間もず〜っとその光の下で文字を見ることを考えたらどうだろう?
自分にはギラギラした昼光色より、昼白色の方が目に優しくて適切だと思える。
書斎や勉強部屋で活動的になる必要なんて無いんだから。
明るさもなんら申し分ない。しかもリラックスできる。値段も同じだ。
そう考えると、家の中に昼光色を使う必要はもはや無いんじゃないかしら?
追記:昼光色も捨てたもんじゃなかった
コメントで批判を受けたこともあり、また昼光色がわざわざ今も存在していることが疑問だったため、もう少し調べてみたところ面白いことが分かりました。
昼光色は今もなお他に比べて高い照度を得られるとのこと。だとすれば、とにかく光量が必要な場合には昼光色が適任ということになります。昼光色の方が活動的、集中できる、という売り文句は、これは恐らくこの辺りから来ているのでしょう。つまり色心理的な問題ではなく、照度が高いために脳が活性化する、という考え方だったのではないかと思われます。
一方で、最近は昼光色のことを「爽やかな色」と説明するなど、もっと曖昧な表現を使っているようです。あまり活動的だとか効果があるように表現して過大広告に抵触するのを恐れているように感じます。健康食品の類と同じで、「ある程度そういう傾向にあると思われるけど一つ一つが検証されているわけではない」という感じなのでしょう。まあ、検証にかかる資金を考えれば妥当か。
ともかく、昼光色を今も売っているのは少なくとも照度という点でそれなりにアドバンテージがあるのが一因のようです。